今回ご紹介するのは、京都の宇治にある三室戸寺(みむろとじ)。
平等院や宇治上神社などとともに、古くから知られる宇治の名所の1つです。
四季折々の花が咲き誇る庭園でも知られます。
特に6月のあじさいが有名で、「あじさい寺」とも呼ばれています。
由緒ある西国十番・三室戸寺
三室戸寺は、奈良時代末期、光仁天皇の勅願により創建されたと伝わる、由緒ある古寺です。
また、西国三十三所観音霊場の第十番札所としても知られます。
略して「西国十番」。昔も今も、巡礼者の参拝が絶えないお寺です。

境内伽藍の紹介
その長い歴史の間に、火災や戦乱でたびたび伽藍を失うも、そのたびに再興した三室戸寺。
現在の境内には、主に、江戸時代に建てられた建物が残ります。
本堂
境内の奥に立つ本堂は、重層入母屋造り、正面には唐破風がついた大建築。どっしりと重量感あふれるお堂です。
江戸時代後期に再建された建物です。
堂内には、ご本尊の千手観音が安置されています。
ただし、この観音様は秘仏。普段は厨子の中に納められており、お顔を拝むことは出来ません。

本堂の前には、ちょっと変わった2つの置き物。
まず、本堂に向かって右側に置かれているのは、寝そべる牛の像・宝勝牛。
牛の口の中には玉があり、この玉をなでると勝ち運がつくと言われています。

一方、左側には、石でできたウサギの像・福徳兎。
このウサギは、体の前に大きな玉を抱え、その玉の中には卵のような形をした石があります。
この卵石に触れると、どんな願いもかなうとか。さらに、この卵石を立てることができれば、昇運もつくと言われています。

阿弥陀堂
本堂の右横には、阿弥陀堂と呼ばれるお堂があります。
ここは、浄土真宗の宗祖・親鸞聖人の父のお墓があった場所とされています。

三重塔
本堂向かって右手、鐘楼の背後に立つ、美しい朱色の三重塔。
この三重塔は、明治時代に、別のお寺からの移築されたものです。元の塔は、江戸時代中期、1704年の建立です。

十八神社
本堂向かって左手の高台には、十八神社があります。
昔の神仏習合の名残もあり、お寺の境内に神社がある例はそれほど珍しくありません。
なお、十八神社の社殿は、実は、三室戸寺の境内の中で最も古い建物。室町時代の建築物で、国重要文化財にも指定されています。

境内を彩る季節のお花
三室戸寺は、四季折々の花が境内を彩る、花のお寺でもあります。
境内の半分以上を大きな庭園が占めており、その広さ、なんと5000坪。その中でも、特にあじさいが有名で、「あじさい寺」とも呼ばれています。
庭園の西側全体があじさい園で、6月には、青や紫、ピンクなど、色とりどりのあじさいの花が咲き乱れます。
あじさいの他にも、春の桜から、ツツジやシャクナゲ、秋のもみじなど、四季折々で季節の風景を楽しめるお寺です。

三室戸寺の基本情報
住所:京都府宇治市莵道滋賀谷21
拝観時間:
(4月~10月)8:30~16:30
(11月~3月)8:30~16:00
拝観料:大人1000円 小人500円
アクセス:(京阪宇治線)三室戸駅から徒歩15分
ホームページ:西国十番 三室戸寺