大阪府の南東部に位置する河内長野は、市内にさまざまな古い寺院や神社があり、文化財も多い歴史あるまち。
その河内長野の中心部にも、古い本殿が残る小さな神社があります。
それが、今回ご紹介する長野神社です。
河内長野駅近くの小さな名社
河内長野で一番の賑わいをみせる河内長野駅。
長野神社は、この河内長野駅のすぐ近く、歩いて2,3分の場所にあります。
小さいながらも、古くから地元の人々に崇敬されてきた名社です。

主祭神は、素戔嗚尊(スサノオ)。
なお、長野神社と呼ばれるようになったのは明治以降で、それ以前は、牛頭天王宮などと呼ばれていたそうです。

長野神社の境内見どころ
こぢんまりとした長野神社の境内、社殿の数も多くはありません。
しかし、その中でも、目を引く建物が1つあります。境内の中央、いかにも古風な感じの造りをした本殿です。

本殿
長野神社の本殿は、一間社流造・檜皮葺(ひわだぶき)。神社の社殿としてはごく一般的な造りです。
しかし、屋根の正面には軒唐破風と千鳥破風。異なる二種類の破風が並び、格式の高さを感じさせます。

この本殿の建築時期は不明ですが、室町時代末期と推定されています。文化財的にも貴重なもので、国の重要文化財にも指定されています。
また、本殿の左右には、恵比須社などの摂社が並んでいます。本殿の次に、こちらの摂社にもお参りしておきましょう。

カヤの巨木
長野神社の境内の一角には、巨木が立っています。
恵比須社のすぐ横に立つ大きなカヤの木。幹回りは4m、高さ17mという大きな古木です。
摂社の建物と比べると、その大きさがよくわかると思います。
大阪府下最大級の大きさで、府の天然記念物に指定されています。

長野神社周辺・高野街道散策
さて、長野神社の参拝を終えたら、周辺も散策してみましょう。
神社の西には、高野街道と呼ばれる道が南北に走っています。
高野街道は、京や大坂と高野山とを結んだ昔の街道。現在の河内長野駅周辺は、古くより、この高野街道の要衝・宿場町として栄えました。
今もこの辺りには、昔の風情が感じられる町並みが残されています。

長野神社近くにある酒蔵通りには、通りの両側に、蔵元の象徴・杉玉を軒先に吊した民家が並ぶ、趣ある景色が残ります。
また、酒蔵通りにある西篠合資会社は、金剛寺とのゆかりの深い名酒「天野酒」で知られる蔵元です。もちろん、ここで天野酒を購入することもできますよ。

長野神社の基本情報
住所:大阪府河内長野市長野町8-19
備考:境内自由
アクセス:(南海・近鉄)河内長野駅から徒歩3分