大阪府南部の富田林のほぼ真ん中。
市内を南北に貫く大河・石川の西側に、古くから地元で崇敬されてきた1つの社があります。
それが、今回ご紹介する錦織神社(にしきおりじんじゃ)。
平安時代の創建ともされる、富田林の名社です。
錦織神社の境内見どころ
木々に囲まれた、閑静な錦織神社の境内。
南端に立つ大きな鳥居がその入口です。

まっすぐ続く長い参道
南の大鳥居から北へ、幅広の長い参道がまっすぐのびています。その長さ、約150m。
木々が茂る中、直線的に続く参道。道の両側には無数の灯籠。
参道を先へ歩むにつれ、次第に厳かさが感じられる境内です。

拝殿と社務所
長い参道を先まで歩けば、ちょっと開けた場所に到着。
その奥には、行く手を塞ぐように横長の社殿が立っています。
この社殿は拝殿と社務所が一体になった建物で、向かって右が拝殿、左が社務所です。
拝殿と社務所の間には細い通路あり。また、通路の前には、一対の狛犬も置かれています。

珍しい形の本殿
拝殿と社務所の間を通り抜けた先の境内奥に、本殿が鎮座しています。
瑞垣に囲まれた本殿、その祭神は建速素戔嗚命(スサノオ)など三柱です。
この本殿は、室町時代初期(南北朝時代)1363年の建築で、国の重要文化財に指定されています。

さて、この錦織神社の本殿は、なかなか珍しい特殊な形をしています。特に複雑な形の屋根に注目です。
基本的な構造は三間社入母屋造、平入り。
ただ、普通の入母屋屋根では側面(妻側)にしかない破風(はふ)が、正面(平側)にもついています。
しかも、正面の破風は、千鳥破風と唐破風の2つが上下に並びます。
この珍しい建築様式は、ここの社名から「錦織造り」とも呼ばれます。

また、瑞垣に囲まれてちょっと見えにくいですが、本殿の左右には摂社があります。
本殿に向かって右が春日社、左が天神社です。
二摂社の社殿は、室町時代中期、1480年の建立。
中央の本殿と同じく、二摂社もそれぞれ国重要文化財に指定されています。

錦織神社の基本情報
住所:大阪府富田林市宮甲田町9−46
アクセス:(近鉄長野線)川西駅から徒歩5分
備考:境内参拝自由