京都に数多く残る神社の中でも、今回ご紹介する晴明神社は、かなり個性的な神社の1つ。
その理由は、祀られている人物の特殊さにあります。
晴明神社の祭神は安倍晴明(あべのせいめい)。平安時代の京で活躍したとされる有名な陰陽師です。
スーパー陰陽師、安倍清明
陰陽師(おんみょうじ)とは、古来から伝わる陰陽道に基づいて、占いや予言、天体観測などを行う人たちのことを指します。
その中でも、平安時代、時の天皇に信任されたのが安倍晴明。
式神と呼ばれる精霊を使役し、魑魅魍魎(ちみもうりょう)渦巻く京の都で、鬼退治や怨霊退散に大活躍した、スーパー陰陽師。
この話には後代の創作も多分に混じってはおりますが、安倍清明自身は実在の人物。晴明公の死後、その屋敷跡に創建されたのが、この晴明神社です。

陰陽道盛りだくさんの境内
有名な陰陽師を祀るこの神社、境内は陰陽道にまつわるスポット盛りだくさん。
普通の神社の厳かさとは少し違った、独特の雰囲気が漂います。
本殿
境内の奥、瑞垣に囲われて鎮座する本殿。祭神の安倍晴明を祀ります。明治38年の建築。
境内に入ったら、まずはこの本殿前でお参りを。

五芒星
鳥居や提灯など、境内のあちこちに描かれている五芒星(ごぼうせい)。
陰陽道の象徴でもあるこのマークは、安倍晴明の家紋。晴明神社の神紋でもあります。

一条戻橋
一条戻橋は、この晴明神社からほど近い、堀川にかかる一条通の橋。何度もかけ直されてはいますが、平安の頃より今の位置に存在します。
安倍晴明ともゆかりの深い橋。式神を気味悪く思う奥さまのため、普段使わないときには式神をこの橋の下に隠していたという話が残ります。
なお、現在、堀川にかかる一条戻橋は20年ほど前に作られたもの。
そのときに、先代の橋の古材を利用して復元された小橋(旧一条戻橋)が、式神の像とともに、晴明神社の境内に置かれています。

晴明井
手水舎の横に置かれた、五角形の石造物。上には五芒星が描かれたこの物体は、晴明井と呼ばれています。
晴明の念力によって水がわき出た井戸だとか。
晴明井からは今も水がわき出ており、その水は飲むこともできます。お水のご利益は病気平癒。体に不調を感じる方は一口いただいてみましょう。

桃は厄除けの印
本殿向かって右に置かれた巨大な桃。陰陽道では、桃は魔除け・厄除けの印。
特に厄年の方は、この大きな桃をなで、身についた厄を落としておきましょう。

晴明神社の基本情報
住所:京都市上京区晴明町806(堀川通一条上ル)
参拝時間:9:00~17:00 無休(境内参拝自由)
アクセス:(地下鉄烏丸線)今出川駅から徒歩12分
ホームページ:晴明神社